「施術で忙しい時に予約電話が入ると面倒だ」
「予約時の患者さんとのやりとりに時間がかかってしまう」
このような予約周りに面倒さを感じている治療院には「予約システム」の導入が良いかもしれません。
しかし治療院向けの予約システムが数が多く、どれが良いのか判断がつかず、結局システムを導入出来ていないのではないでしょうか?
治療院向け予約システムは無料/有料のものがあり、無料のものの中でも仕様が異なるので、導入のために調べるべきことが多すぎるのも問題でしょう。
そこで今回は治療院向けに、「予約システムの種類」「それぞれの仕様の違い」「予約システムを導入するメリット・デメリット」などについて詳しく解説を致します。
予約システム導入を検討している治療院は、この記事を参考にしてからでも遅くはないでしょう。ぜひ最後までお読みください。
予約システム比較
治療院向け予約システムでは、無料/有料という区分だけでなく、機能の違いを比較して選ぶと良いでしょう。
予約システムに入っている機能は次のようなものが多いです。
予約関連の機能:予約メニュー・コースの作成、所要時間の設定、スタッフの指名など
顧客管理関連:カルテ管理、登録患者へのメール送付、売上分析など
決済関連:ネット決済、POSレジ連携など
このような機能から自分の院に何が必要かをあらかじめ決めておくことが、治療院にとってどの予約システムを選ぶべきかの指針になるでしょう。
Square 予約
Square 予約は「ネット予約」「ネット決済」「顧客管理」「スタッフ管理」などの機能を持つ予約システムです。
専用のスマホアプリがあるので、パソコンが苦手な方でもアプリから予約枠の設定や変更などが出来ます。
予約の編集画面は非常にシンプルなので、初心者でも使いやすいでしょう。
無料と有料のプランがあり、無料プランは1人治療院向けです。
一方有料プランでは上記の機能に加えて、次のような機能を使えるようになります。
複数店舗の管理
複数スタッフの予約
対応時間の設定
Googleカレンダーとの同期
メールとSMSによる自動予約確認
無連絡キャンセル防止対策
1日あたり受付可能な予約数上限の設定
これら機能は、複数のスタッフを抱える院であったり、複数院を経営するオーナー向けでしょう。
初期費用(税抜) | 無料 |
月額利用料(税抜) | フリー 無料 プラス 3,000円/店舗 プレミアム 8,000円/店舗 |
Reserva
Reservaは「ネット予約」「顧客管理」「ネット決済」が出来る予約システムです。
Reservaの特徴は、「ネット予約のフォーマットの豊富さ」にあります。
治療院向けのフォーマットも用意されてはいますが、それが自分の院に合わない場合は、別の業種のフォーマットの中から自院に向いているフォーマットを選ぶことが出来ます。
またスマホ用アプリも用意されているので、アプリからの管理も行うことが出来ます。
導入してから3分ほどで予約システムが使えるようになる点も、魅力の一つと言えます。
フリー | ブルー | シルバー | ゴールド | エンタープライズ | |
利用料/月 | 0円 | 2,200円/月 | 5,500円/月 | 11,000円/月 | 22,000円/月 |
予約受付可能件数/月 | 100件 | 200件 | 500件 | 1,000件 | 2,000件 |
顧客件数 | 500件 | 1,000件 | 2,500件 | 5,000件 | 10,000件 |
メルマガ・DM配信数 | 別料金 | 別料金 | 2,000通 | 4,000通 | 8,000通 |
無料のプランでは、月に100件の予約受付が可能なので、1人治療院の場合はこれで十分でしょう。
有料プランになると、予約受付の上限が増えたり、登録できる顧客数が増えたり、メルマガが送れるようになったりします。
STORES予約(旧Coubic)
STORES予約の無料機能としては「ネット予約」「ネット決済」があります。
スマホアプリがあるので気軽に予約管理することが出来ます。
ネット決済では、クレジット決済が使われた場合は手数料が発生することは要注意です。
STORES予約の特徴は、登録すると簡易的なホームページが作れることです。
イメージとしては「Google Site(Googleビジネスプロフィールから作れる無料のぺージ)」ぐらいを想定しておくと良いでしょう。
フリー | 0円 |
ライト | 8,778円 |
スタンダード | 26,378円 |
プラチナ | 66,000円 |
ライトプランでは「メルマガ配信」「ZOOM連携」などの機能が追加され、スタンダードプランでは「キャンセル待ち設定」「予約リマインドメール」「スタッフ指名予約」などが可能となります。
1人治療院の場合は無料プランで十分だと思います。
しんきゅう予約
しんきゅう予約は、ポータルサイト鍼灸コンパスを運営している会社が提供している予約システムです。
「しんきゅう」という言葉が入っていますが、鍼灸院に限らず治療院なら利用可能です。
機能は「ネット予約」「ネット決済」「顧客管理」「売り上げ分析」など様々あります。
ネット決済の場合は、手数料が5%が発生します。
初期費用(税込) | 無料 |
月額利用料(税込 | エントリー 無料 ライト 2,200円 スタンダード 5,500円 プロ 11,000円 |
しんきゅう予約のすごいところは、無料プランでも機能すべてを使えるところです。
有料プランにすると。登録できるデータ量が増えます。
例えば無料プランだと、予約枠の登録が月に30件だけですが、有料プランになるとそれが増えたり、登録できる顧客データ数が増え、ます。
開院したての治療院なら無料プランで十分ですが、ある程度経営が軌道に乗っているなら有料プランの方が良いでしょう。
からだケア
からだケアは治療院やリラクセーションサロンに特化した予約システムです。
特長は「とにかく簡単に使える」という部分にあります。
「ネット予約」「顧客管理」「売り上げ分析」などの機能があります。
面白いのが、顧客管理機能です。
顧客の住所を登録すると地図上に表示されるようになるので、顧客データを登録すればするほど、自院の商圏の確認や、どのエリアが不足しているのかなどがわかるようになります。
初期費用(税込) | 無料 |
月額利用料(税込) | ライト 1,100円/施術者1人当たり スタンダード 1,980円/施術者1人当たり |
有料プランしかないのですが、その分シンプルで簡単に利用できるでしょう。
エキテン予約
エキテン予約は、クチコミサイトエキテンの正会員(有料会員)になると利用できる予約システムです。
機能は他のシステムより劣りますが、予約システムとしは充分に使えます。
あくまで「エキテンに広告を載せるとついてくるもの」ぐらいで考えておきましょう。
エキテンを本気で活用していこうと考えている治療院には向いていますが、そうでない場合は使わなくても良いでしょう。
エキテン予約はGoogle予約との連携が出来るので、Googleビジネスプロフィールからの予約を増やしたい場合は利用しても良いでしょう。
初期費用 | 30000円 |
月額料金 | 5,500円~ |
※治療院のエキテン運用について詳しくは下記をご覧ください
セレクトタイプ
セレクトタイプは高機能かつデザイン性のある予約フォームを作ることが予約システムです。
機能が豊富で、「ネット予約」「決済機能(クレジット・振込・コンビニ決済)」「顧客管理」「データ分析」「会員システムの作成」など、他予約システムより様々なことが可能です。
フリー | 無料 |
ベーシック | 1,500円 / 月(税込1,650円) |
プロフェッショナル | 3,000 円 / 月(税込3,300 円 ) |
プレミアム | 10,000 円 / 月(税込11,000 円 ) |
有料プランでグレードが上がると、登録できるデータ数が増えたり、クレジット決済の手数料が安くなったりします。
予約システムを導入するメリット
治療院が予約システムを導入することにはいくつかメリットがありますので、ご紹介します。
メリット① 施術を止めることなく予約が入る
治療院、特に1人治療院の場合だと、施術中に電話がかかってくると、それに出るために施術を中断しないといけません。
目の前の患者さんに集中したいけれども、電話に邪魔されてしまう感覚になってしまいますし、患者さんによっては途中で電話に出る施術家に対して不満を感じるでしょう。
予約システムを導入することでそうした電話対応から解放されるので、治療院にも患者側にもメリットがあります。
メリット② 電話が苦手な人からも予約が入る
世の中には電話で予約をすることが苦手な人がいます。電話予約のみだと予約を入れない人がいるのです。
そのため予約システムのように自動で予約を入れられるものがある場合は、電話が苦手な人でも予約を入れるため、新規患者の底上げにつながります。
メリット③ 事前決済で施術の流れがスムーズに
予約市システムによっては事前決済機能がついており、それを使うことで「お会計」というステップがなくなるので、施術がスムーズになります。
1つステップがなくなるだけで、患者さんにとっては負荷が減ります。
また治療院側も会計がないので施術に集中出来ます。
予約システムを導入するデメリット
一方で治療院が予約システム導入することのデメリットもあります。
デメリット① 患者さんの質が落ちる
予約システムから来る患者さんは、質が落ちると言われています。
その代表例として「文章を読まない人」というのがあります。
予約システムで予約完了した後、自動で施術までの注意点などのメールが患者さんに送られるとしましょう。
そのメールを読まずに来るので、治療院の運営に支障が出たりするのです。
注意点として「待合室がないので、ご来院は予約時間の5分前にお願いします」と書いていても、読まないので時間より早く来てしまい、前の患者さんとバッティングしてしまったというのは実際にあったケースです。
また施術コースちゃんと確認せずに予約をしてきて、予約当日に施術内容を説明したら「なんか思ってたとの違う」と言う人もいました。
これらは一例ですが、予約システムからの患者さんは少し注意した方が良いでしょう。
デメリット② 予約管理が大変
予約システムを導入すると、その管理が結構大変になります。
まず最初に空いている予約枠を1つ1つ設定していきます。
それを1週間分から2週間分くらいは行う必要があるでしょう。
もし電話やLINEで予約が入ったり、来院患者さんがお帰りの際に予約を入れたい場合は、予約システムを見ながら空き状況を確認しないと、ダブルブッキングの可能性も出てきます。
そして電話やLINEで予約が入った場合などは、予約システムの予約枠を変更しないといけません。
このように予約システムを導入することで増える作業もありますので、その作業が自分に向いているかを考えることが重要になってくるでしょう。
デメリット③ キャンセル率が高くなる
予約システムから予約をする人は、キャンセルすることへのハードルが低くなるので、キャンセル率が高くなります。
電話で一度でも話したりメールやLINEでのやりとりが発生すると、「キャンセルするのは迷惑かけるな」という気持ちになりやすいのですが、予約システムでコミュ―ケーションが発生せずに予約まで完了すると、キャンセルへの抵抗が生まれないのです。
治療院の予約システム導入のためのポイント
予約システム導入のメリット・デメリットを比べると、どのシステムを選ぶべきか・そもそも導入するかどうか悩まれると思います。
治療院が予約システム導入に関しては、次のポイントを軸に考えていくと良いでしょう。
・現在のどんな問題を解消したいのか
・自院に必要な機能
・オペレーションの量に対応できるか
まずは「現在のどんな問題を解消したいのか」ですが、自院に予約システムを使って解消したい問題があるかどうかを考えてみましょう。
電話対応の時間やLINEでのやりとりなどに苦痛を感じているのであれば、予約システムのデメリットと苦痛の解消と比べてみると決断しやすくなるでしょう。
次に自院に必要な機能を深く考えることで、どの予約システムを選べば良いのかある程度見えてきます。
ネット予約機能だけあれば良いのか、ネット決済も欲しいのか、顧客管理や顧客とのコミュニケーション機能も必要なのか etc。
院によっては機能が豊富だから良いわけではなく、シンプルな機能だけの方が向いている場合もあります。自院に適した機能は何かを考えると良いでしょう。
そして予約システムのオペレーションの量に対応できるかもイメージしてみると良いと思います。
だいたいの予約システムが無料プランやお試し機能がありますから、どれでも良いので一度実際に予約管理画面を使ってみることをおススメします。
操作法はどのシステムも似通っています。なので1つのシステムで操作を学び、作業にどれくらいの時間がかかるかを見極めること、予約システム導入の判断がしやすくなるでしょう。
まとめ
治療院向けの各予約システムの比較、メリット・デメリット、予約システムを選ぶ際のポイントについてお話してきました。
基本的には、あなたの院が「予約システムは必要である」と思ったら導入すれば良いと思います。
ただ当社が考えるに、予約システムは1人治療院向けではなく、複数のスタッフを抱える治療院向けだと思います。
複数スタッフがいる治療院の方が、予約システムのデメリットよりメリットの方が大きくなると考えるからです。
1人治療院の場合は、デメリットの方が少し大きいように思います。
いずれにせよ、予約システムを導入するかお悩みの治療院さんは、この記事を読んでからにすると良いでしょう。
当記事を参考にして、失敗しない予約システム導入に成功してください。
投稿者プロフィール
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治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。
有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。
当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。
2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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