ポジショニング、つまり他院と差別化することは「地域の治療院の中で自分の院がどのような位置にいるのか」を明確にすることであり、治療院が地域で宣伝集客に成功するために必ず考えなければいけないことです。

治療院の経営者さんは経営セミナーなどで必ずと言って良いほど、このポジショニングについて考えさせられます。

しかし頭をひねって生み出したポジショニング・差別化が、実は集客には影響しない・患者さんには響かないものであったというのはよくあるケースです。

そこで今回は治療院のポジショニング・差別化として、どのようなものが正しいポジショニングなのか(集客につながるのか)、間違ったポジショニングなのか(集客につながらないのか)を詳しく解説していきます。

ポジショニング・差別化を掘り下げることは治療院の宣伝全般に影響し、毎月の新規集客数にも影響します。この記事を参考にしてぜひあなたの院のポジショニング戦略を見直していただければと思います。

この記事でわかること

・正しい治療院ポジショニングがわかる
・間違った治療院ポジショニングがわかる
・自院の宣伝戦略を見直して、新規集客力を上げる事ができる

ポジショニングとは

ポジショニングとは最も簡単に言うと「他院との差別化」です。他院と何が違うのかを示すものです。

経営セミナーなどではUSP(Unique Selling Proposition)という言葉が使われています。「自院のサービスの独自の強み」のことを差し、セミナーではUSPを見つける作業が行われたりします。

ポジショニングというのは、宣伝や集客の川上の部分です。ここを間違うと川下である集客結果に大きく影響します。

正しいポジショニングを見つけることが出来れば集客に成功しますし、間違ったポジショニングであれば集客に結びつきません。

ポジションニングは治療院経営の土台部分だと言えるでしょう。

治療院が正しいポジショニングを見つけなければいけない理由

今治療院の数は、コンビニの数よりはるかに多いと言われています。

2021年3月末でコンビニの数は58,482件。それよりもはるかに治療院は多いのです。

コンビニは生活必需ですが、残念ながら治療院はそうではなくどちらかというと嗜好品のサービスです。(保険治療だけの整骨院はのぞく)

生活必需品ではないサービスなのに競合が多すぎるのが治療院業界ですから、新規患者の取り合いになりますし、新規患者をいかに定着させるかが院の生死に関わります。

治療院が安定して新規患者を獲得して経営を続けていくために、正しいポジショニングが必要なのです。

治療院の正しいポジショニング

まずは治療院の正しいポジショニングについて紹介をしていきます。

正しいポジショニングというのは、「患者さんにメリットになる」ということが基本であることをまずは知っておいてください。

料金

施術料金は価格次第で正しいポジショニングになります。

高価な自費施術は扱いが非常に難しく、上手くいけば集客につながりますが多くの場合集客に苦労するので「正しい」とまでは言えません。

逆に安すぎる価格帯、例えばもみほぐし系と同じ施術料金(60分2980円など)になると治療院としては技術に疑いがもたれかねないので、これも正しいとは言えません。

施術料金として正しいポジショニングになるのは、3000円から5000円くらいの価格帯です。

この価格帯で宣伝を行うと、非常に集客効果が高くなります。(ホームページ+PPC広告で月50名も目指せます)

立地

立地は患者さんの通いやすさに直結します。なので良い立地は正しいポジショニングとして使えます。

都市部の場合、駅から近い立地は非常に強いUSPになります。

通勤途中で駅を下車してそれなりの時間歩かないと治療院に着かないのであれば、時間の都合で選択肢から外されてしまいます。

「立地は関係なく、宣伝を上手くやれば集客できる」という考えがありますが、これは間違いです。「宣伝を上手くやれば集客成功率は高まるかもしれないが、必ず成功するわけではない」が正しいです。

逆に立地が良いということは患者さんにとってメリットなので、それだけで集客成功率が高まります。

営業日・時間

昔は「平日に働き、土日祝日は休み」という働き方が一般的でしたが、今は多様化しています。

土日に働いている人もいますし、夜勤という場合もあります。

忙しい人は朝から働いていても帰宅時間が21時以降は当たり前という人もいます。

そうした働き方の多様化に合わせた営業日・時間を設定できるのであれば、正しいポジショニングになります。

「土日営業」「平日21時まで」などは集客に直結しますし、オフィス街などの場合は昼休憩のない営業時間にした方が集客しやすかったりします。

あなたの地域の特性を考慮して営業日・時間を決めるのもお勧めです。

設備

駐車場がある、ベビーベットがある、子どもが遊べる環境がある etc 特定の設備があることは正しいポジショニングになります。

車でないと移動できない人が多い場合は駐車場の有無が集客に直結します。

産後のママさんを集客したいなら、赤ちゃんを連れて行ける環境を作ることが必須だと言えます。

ターゲットとして想定する患者さんにとって来院しやすい設備・環境とは何かを考えてみて、それを設置することは集客に有効です。

実績

地域で一番の実績を紹介できるのであれば、正しいポジショニングになります

例として「体験談掲載数地域ナンバーワン」などは差別化になります。

その地域で最も古く長く営んでいる治療院であるなら、それだけ地域で支持されていることになるので正しいポジショニングだと言えます。

「自分は地域で何かナンバーワンなことはないか」を一度考えてみると良いでしょう。

特化

特定の症状に特化した治療院としてアピールすることも正しいポジショニングとして使えます。

「和食も中華もイタリアンもなんでも作れます」という飲食店より「中華料理のスペシャリスト」というお店の方が選びたくなりますよね。

治療院も同様で、「なんでも対応しています」よりは「腰痛のスペシャリスト」とか「自律神経失調症の専門院」のように特化した症状をアピールする方が患者さんにとっては選びやすくなるでしょう。

症状を特化させる場合は、その症状に市場はあるかどうかを見極めましょう。

例えば「腰椎分離症専門」などはニッチすぎて、十分な集客につながらない可能性があります。

「悩んでいる人が多くいて、かつ改善方法を探している」ような症状を探してみましょう。

治療院の間違ったポジショニング

治療院のポジショニングとして間違っている事例をご紹介します。

間違った例に共通するものとして、患者さんにとってメリットがあるのではなく「自己満足」ということがあります。

施術法

「地域で○○法で施術をするのは当院だけ!」のような表記を掲げている治療院を見かけることがありますが、これは間違ったポジショニングの代表例です。

治療家にはその施術法を使えるのはすごいと思うのかもしれませんが、一般の人は施術法を知りません。なので施術法はアピールポイントにはなりません。

雑誌やテレビで取り上げられて流行した施術法の場合は、その方法を掲載することは差別化になりえます。

例えば最近の事例としては「筋膜リリース」などはそうですね。

ただほとんどの施術法は流行はしないですし知名度もないので、治療院のポジショニングとして使うのはおススメは出来ません。

「新しい」機械

保険治療をメインに行う整骨院などが「最新の○○を導入!」と紹介している場合がありますが、これも間違ったポジショニングの例です。

ああいう機械は高価なのでアピールしたい気持ちはわかるのですが、患者さんにとっては新しい機械が導入されたかどうかは重要ではありません。

機械をアピールするなら、「最新の」というアピールではなく「その機械でどんな悩みを解消できるのか」とか「今までできなかったどんなことを行うことが出来るのか」など、患者さんにとってメリットになることをアピ-ルしましょう。

治療だけでなく美容も行う

治療院が美容施術をアピールすることも間違ったポジショニングになります。

治療院はあくまで「治すところ」ということを忘れてはいけません。

美容に力を入れていると、「ここの治療技術は本当に大丈夫かな」という懸念を患者さんから持たれかねません。特に高単価施術の治療院はこれに当てはまります。

美容施術は治療院にとってポジショニングにならないので、美容専門のホームページを別個で立ち上げるなどのマーケティング戦略を検討すべきでしょう。

治療院ポジショニング戦略まとめ

冒頭でもお話しましたが、治療院の競合数は増え続け、各院のマーケティングレベルも上がる一方です。

そのような荒波にいるからこそ、宣伝では「集客に直結すること」をアピールしないといけません。

意味のないアピールではなく、患者が集まるようなアピールをする。それが治療院にとっての正しいポジショニングです。

新規に開業を考えている治療院は必ず正しくポジショニングを考えていただきたいですし、既存の治療院でも集客や宣伝が上手くいっていないならポジショニング戦略を一度見直してみることをおススメします。

今回の記事はその参考なることでしょう。

投稿者プロフィール

治療院集客集団WAO
治療院集客集団WAO
治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。

有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。

当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。

2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。