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施術料金を決めるには、「治療院ビジネスの安定とは何か?」を考える

こんにちは、石塚直紀です。
 
みなさんは自分の院の施術料金を、どのように決めましたか?
 
最近は色々な業種の経営セミナーで「お金のメンタルブロックを解除しましょう」ということが流行っているのか、料金の値上げをする治療院さんが増えています。
 
お金を稼ぐということは悪いことではありませんから、施術料金を上げることも1つの選択でしょう。しかしむやみやたらに上げていくのは、私はお勧めしていません。
 
施術料金を上げて、その後経営が右下がりになってしまって治療院さん、私はいくつも知っています。
 
そういった院さんに欠けていた視点というのは、「治療院ビジネスの安定とは何か?」です。これを考えないまま、施術料金を上げてしまったんです。
 

治療院ビジネスの安定とは何か?

では治療院ビジネスの安定とはいったいなんでしょうか?
 
それは、「メンテナンス患者さんを安定させること」です。
 
メンテナンス患者さん、つまり1か月に1回は通ってくれる患者さんを増やすことが、売上・経営の安定につながります。
 
だいたい売上の8割ぐらいがメンテナンス患者さんになるのが、売上安定に重要です。
 
例えば月の売上100万を目指すなら、 80万円はメンテナンス患者さん、20万を新規患者さんという感じです。
 
※開院したての治療院さんの場合は、そもそもメンテナンス患者さんがいないので、新規を集めていくしかないですね。まずは新患獲得を頑張りましょう
 

その料金、患者さんはメンテナンスのために出せますか?

重要になってくるのは、高い施術料金にしたときに、患者さんは月1のメンテナンスとして料金を支払えるかどうか、ということです。
 
施術料金1万円の治療院があるとしましょう。
 
広告やオファーを使ってなんとか新規患者さんを集めています。
 
施術料金が高いこともあり、1回目の離脱も結構多いです。
 
でもなんとか痛みを取りたい、不調を治したいと思い、続けて通ってくれる人もいます。
 
6回目の施術で痛みが取れた!良かった!あなたは「今後は月1回のメンテナンスをしていくと良いですよ」と薦めるでしょう。
 
しかしその患者さんは、翌月来ません。その翌月も来ません。 来たのは半年後。「また痛みが出てしまったから、見てもらえますか?」と。
 
そして1回受けて、また来なくなる・・・・
 
あなたとしては、「月一回のメンテナンスに来てくれれば」と思われるかもしれませんが、そもそも患者にとってメンテナンスに対する重要度は高くないです。それなのに施術料金が高いとなると・・・ まあ痛みが出たときにしか、利用しなくなってしまいますよね。
 

利用頻度が少ないから、関係性が気付けず、他院に流れてしまうことも

施術料金が高いと、患者さんは施術回数を減らしたいと思うのが自然な傾向です。(あなたも患者さんの立場なら、そう思いませんか?)
 
施術回数が減る、メンテナンスに通わないということは、患者さんとの接触回数が減りますよね。信頼関係構築が不十分になってしまいます。
 
そんな時に、地域に新しい治療院が出来て、安くはないけれどもあなたの治療院の料金よりは手頃で施術を受けられる院が出来たら・・・(しかも技術力もそこそこ)、あたらしい院に移ってしまう可能性、かなり大きいですよね。
 
新しい院が出来るときは、チラシを撒くでしょうから、あなたの院の既存の患者さんでも、「新しいなら一回行ってみっか」ぐらいの気持ちで施術を受けに行く可能性はあります。
 
軽い気持ちで受けにいって、その技術と料金が良かったら・・・ 転院されても仕方ないと思います。
 

メンテナンスも考慮した料金バランスが一番良い

こんなこと書いていると、「石塚は料金上げるのに否定派か」と思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。
 
治療院もビジネスですから、しっかりお金を稼いで安定させることは非常に重要です。安い施術料金だと1回1回の施術にモチベーションも感じられないでしょうし、施術料金を高くすること自体には、反対しません。
 
私が気になっているのは、意味もなく、流されて料金を上げてしまうことです。
 
料金を上げる時には、「地域の患者さんがメンテナンスで通えるかどうか」、これをしっかりと考えて決めた方がよいです。
 
「初回の時の問診とフォローでなんとかなる!」と思ってると甘いです。
 
患者さんには「この料金だとメンテナンスに通わない」という絶対ラインを持っている人が多いです。
 
1万円をそのラインにしている人は多いですね。
 
その絶対ラインを越えず、新患獲得もそれなりに出来るくらいに施術料金を上げていくことが、売上の底上げと安定になっていくと思います。
 

施術料金上げた → 一気に既存患者さんが減った → 新患数も減った →にっちもさっちもいかなくなった

 
なんてことになったら恐ろしいですから。
 
施術料金を決めるときは、「この料金で、メンテナンスで通うのか?」を基本にして、それで上げられそうであれば上げていくのが良いと思います。
 

1%の大成功事例に引っ張られないでくださいね

治療院さんの中には、料金を上げて大成功している院もあります。
 
新患もそれなりに来ていて、毎月通ってくれる人もいる、高級治療院が。
 
ただこれは、全治療院の中のほんの少し。あなたはリスクが高いけれども1%の特別例を真似しますか?
 
それとも地道だけどもリスク少なく徐々に売上を上げていきますか?

投稿者プロフィール

治療院集客集団WAO
治療院集客集団WAO
治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。

有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。

当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。

2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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