新型コロナウイルスの感染が始まってから1年半以上経とうとしています。
この記事を書いている2021年10月時点では感染数は非常に抑えられていますが、他国の状況を見るとワクチンがある程度広がったとしても再開拡大のリスクは高いと言えるでしょう。
専門家も2022年の2月に第6波のピークが来る可能性があると言っています。感染収束まで2~3年はかかるという見込みだそうです。
この1年半の間、治療院を経営するみなさんは様々なことを体験されたと思います。
新規の集客が落ちて、頑張って対策をしても戻らないこと。
コロンで既存の患者が離れて戻ってこないこと。
結果経営が不安定になってしまったこと。
収束していない今から、アフターコロナの治療院のマーケティングと経営戦略をしっかりと考えておくことが必要です。
今回の記事ではアフターコロナ時代で、治療院はどんなことに気を付けた戦略を構築するべきか、どんなマーケティング戦略を取るべきかを詳しく解説していこうと思います。
アフターコロナの経営戦略
アフターコロナに治療院が取るべき経営戦略は「景気や災害で左右されない経営体制」でしょう。
「コロナのような感染災害が起きて、景気が悪くなった。景気が悪いから新患が来ない。既存患者も離れていってしまった。前年比で売上50%の月も出てきている。」こういう自体にならないような経営体制を作ることが必須です。
実際にあなたもこの1年半、様々な苦労があったと思います。
社会が悪い状況になっても、そのようなことににならない経営体制を目指しましょう。
戦略①価格戦略
治療院の経営戦略で最も重要になってくるのは「価格戦略」です。
1年半のコロナ禍では、治療院ごとの施術費用が明確に売り上げに反映されていました。
高単価の施術を行っていた院の多くは新患が減り、既存患者も離れ、売り上げを落としてしました。
一方でコロナ禍でも新患が増えて売り上げが上がっていたのは、保険治療をメインとする整骨院でした。
5000円前後の施術を提供している治療院は、売上維持が少し減少といったところでした。
このように災害が起き景気が落ち込んでいる時は、価格が集客と売り上げに影響してしまいます。
どんな状況で集客と売り上げを安定させることがしやすい価格帯は間違いなくあります。
もし高単価の施術を行っていきたいのでれば、「災害が起きたり景気が悪くなったりしたときに、どのように対応するか」をあらかじめ決めておくことが必要になると言えます。
戦略②メンテナンス層重視
価格戦略と同じくら重要なのが、「どの層に注力するか」ということです。
治療院に来る患者さんは「新規層」「治療層」「メンテナンス層」の3つに分かれます。
ほとんどの治療院は新規層と治療層に頼った経営をしていて、メンテナンス層を増やす努力をしていません。
一方でコロナ禍ではメンテナンス層が多い治療院ほど売り上げが下がらず、高水準で安定していました。
高単価の施術を行っている治療院ほどメンテナンス層が少なかったということも、高単価の院が売り上げの大幅減につながった要因でしょう。
アフターコロナの社会では、治療院はメンテナンス層を増やして「月に新患が10人も来られたら困る」という状態を作りあげることが重要になります。
戦略③価値観と生活スタイルの変化に対応
コロナは人々の価値観と生活スタイルを大きく変化させました。
■価値観の変化
・安全や安心の重視
・出勤せずにリモートワークで十分である
・長時間労働は続かない(ワークライフバランス向上)
・環境問題への意識(特に若年層)
・都市部から地方へ
・災害に強い暮らしをしたい
■生活スタイルの変化
・長時間労働の減少
・出勤の減少による運動量不足
・1日家から動かないでテレワーク
・コミュニケーション量の減少
・休日も遠出をせずに近場で過ごす
こうした人々の価値観・生活スタイルの変化を基礎においた治療院経営戦略を練ることが必要となります。
アフターコロナの治療院マーケティング戦略
アフターコロナの社会では、治療院はアフターコロナの経営戦略に基づいてマーケティング戦略を作り実施していく必要があります。
マーケティングの戦略としてどのような項目が重要なのかを詳しく解説していきます。
戦略①狙うべきターゲット
コロナ禍では価値観、生活スタイル、そして財政事情も大きく変化しました。この変化に対応したターゲットの選定が治療院マーケティングで重要になります。
まず痛みや痺れの症状に関しては、保険治療を行っている院が集客上圧倒的に強いことが明確になりました。
なので自費治療院が痛み・しびれで集客をするのであれば、マーケティングにおいて「他院との差別化」「絶対にこの院が良いに違いない」と思ってもらえる要素が1つか2つあることが必須でしょう。
例えば「地域ナンバーワンの患者さんの体験談掲載数」「圧倒的な数のクチコミがGoogleマイビジネスに投稿されている」「医療の専門家た芸能人・アスリートなどからも推薦が数多くある」など。だれが見てもエッジが効いていると感じられるマーケティングです。
また「自律神経専門」というのはコロナ禍でも集客に強く、アフターコロナ禍でも需要が見込めます。
コミュニケーション相手が減少してストレス発散が出来ない人や、1日座ってリモート会議などでストレス蓄積して自律神経が乱れる人が続出します。
また若い人(学生など)もコロナ禍で自律神経が乱れる子が多く、起立性調節障害改善の需要が増えていました。
このようにコロナ前とは違ったターゲットが重要になり、コロナ前と同じターゲットでいくならエッジの効いたマーケティングが必要となります。
戦略②伝えるべきメッセージ
治療院が存在する理由は「症状を改善させること」ですが、それを前提として付随するメッセージもコロナ前とは変化させていく必要があります。
まずは安全。とにかく安全な環境であることをアピールすることは必須です。
感染症対策をどんなことを行っているのかについて具体的な説明をホームぺージに載せることは避けて通れません。
また「腰痛で悩むあなたへ」よりも「リモートワークで腰痛がひどくなったあなたへ」の方がメッセージは伝わるでしょう。
「1日中家で仕事をしていら不眠や頭痛で悩まされるようになった」や「お子さんの原因不明の症状はマスクで呼吸が浅くなり自律神経が乱れているの原因です」などのメッセージも浸透しやすいでしょう。
コロナ禍で変化した価値観・生活スタイルを踏まえたメッセージを考案していき宣伝・集客に反映していきましょう。
戦略③メンテナンス層を作る体制構築
メンテナンス層を増やすことが経営戦略として必須なので、それを実現するためのマーケティングを行わなけばいけません。
メンテナンス層は2つのパターンに分かれます。
①症状が改善しても継続して通うメリットを理解している
②治療家やスタッフのファンになっている
このどちらか、もしくは両方に当てはまるとメンテナンス層になってくれます。
継続して通うメリットを理解してもらうために
①のためには「患者教育」が重要になります。
施術中のコミュニケーションや院内掲載物、患者さんに渡す配布物などを利用して「メンテンナンスで通うことの重要性」「メンテナンスで通う人が多い旨」「メンテナンスの方が費用対効果が高い」などを、少しずつ少しずつ患者さんの頭に刷り込んでいきましょう。
ファンになってもらうために
②に関してシンプルに言えば「治療家と話したいから月に1回来る」という人を作ることです。
治療や健康に関する知識を持っていることは重要ではありますが、それ以上にプライベートな情報が強く影響します。
趣味や好きなものが一緒であるなど、何かしら共通点があって治療期間が終わるまでにその話題で盛り上がれるようになっておくとメンテナンス層に移行しやすいことがわかっています。
またツールとして有効なのが「SNS」です。
ツイッターやインスタグラムを既存患者にフォローしてもらい(もちろん営業はしないことを約束した上で)、趣味や好きなものについてつぶやいたり、適宜健康情報を発信するところを見てもらうことで、少しずつ治療院やスタッフに愛着をもってもらえるようになります。
もし当社が治療院を作るのであれば
当社は治療院は経営しておりませんが、美容・ファッション系のサロンは経営しております。
もし今治療院を経営するとしたら、今回解説した戦略を踏まえて次のような治療院にすると思います。
・施術価格帯5000円
・施術時間は30分程度
・自律神経専門の治療院
・開業時からメンテナス層作りをシステム化する
マーケティンツールとしては「ホームぺージ」「PPC広告」「Googleマイビジネス」「SNS」の4つを運用するでしょう。
1時間に1万円の売り上げで、1日6万円を目指す。20日稼働で1人あたり120万円の月額売り上げ目標。
一つの例として参考にしてみてください。
まとめ
アフターコロナにおける治療院の経営とマーケティング戦略について詳しく解説をしてきました。
アフターコロナで重要になるのは「景気や災害で左右されない経営体制」であり、そのためには「患者さんの価値観・生活スタイルの変化」に対応したマーケティングを行うことが必要です。
コロナ前と同じような経営戦略・マーケティング戦略をするなら、これまで以上にエッジの効いた「ナンバーワン」であるものを見つけることが必須です。
アフターコロナ対策といて解説した今回の記事ですが、実はコロナ禍真っ最中でも有効な戦略です。
集客・売上に困っている治療院は、ぜひこの記事を参考にして戦略を見直してみることをおススメします。
投稿者プロフィール
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治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。
有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。
当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。
2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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