鍼灸師は国家資格なので、整体のような無資格業態と比較すると、資格を取得して開業するまでかなり時間がかかります。
それにも関わらず、努力していざ鍼灸院を開業したのに、残念ながら3年以内に閉院するケースが多数あります。
鍼灸院が成功するには、マーケティング・集客の戦略が必要不可欠です。
そこで今回は鍼灸院が経営・集客に失敗する理由と、成功者に共通するコツについて詳しく解説をしていきます。
鍼灸院の開業・集客の3つの失敗理由
宣伝不足により集客が上手くいっていない
鍼灸院は整骨院・整体院と比べると、ハードルが高かったりWEBでの検索量が少なかったりと、宣伝・マーケティングでは不利な立ち位置にいます。
そのため適切に宣伝を行わないと新規集客が上手くいかず、経営が立ち行かなくなることになります。
・ホームぺージやGoogleビジネスプロフィールなど、集客施策は利用しているか
・宣伝、マーケティングで他院との差別化は出来ているか
・整骨院や整体院ではなく鍼灸院を選んでもらうためのメッセージはあるか
新規患者を集めることは経営・集客に成功する土台ですから、自院の特性を把握して効果的なマーケティングと集客を行いましょう。
技術力・知識量が不足している
鍼灸院は整骨院や整体院と違い鍼と灸という特別な技術が必要な業種で、この鍼と灸の技術と知識がないと患者さんは定着しません。
例えば鍼施術の技術が足りないことで患者さんが鍼の痛みを感じてしまったなら、それが怖くて2回目の来院に繋がらないでしょう。
これは細い鍼であっても十分に起こりうる事態です。
また鍼灸は好転反応が出やすい施術です。
そのため鍼灸師側が患者さんの状態を見極めて「これくらいの反応に抑えよう」とコントロールしないと、強すぎる刺激が出てしまい、「悪化してしまった」と思ってしまう患者さんもいます。
鍼灸院には整骨院や整体院よりも高い技術力が求められているので、自分の技術力・知識力を見極めましょう。
サービス業の要素が不足している
鍼灸院は鍼灸という技術が提供サービスのメインではありますが、院としてサービス業としての要素が不足していると、残念ながら患者さんが離脱する傾向にあります。
例えば「院内の清潔さ」はその1つで、トイレの清潔感や院内の埃の有無などによって、患者さんから忌避されてしまう可能性はあります。
また物が溢れていて雑多な印象を患者さんにもたれてしまっても悪印象です。
接客態度もサービス業の要素の1つなので、患者さん1人1人にどのようにコミュニケーションを取るかも非常に重要です。
患者さんが「鍼灸施術の技術力は良いけども、会話が上手くかみ合っていない気がする」「院長のクセが強すぎる」と思ってしまうと、最初に2・3回までは通ってもらえても、途中で我慢できなくなり離脱につながってしまいます。
「鍼灸院はサービス業じゃないから、そんな要素は必要ない」と思われる方もいるかもしれませんが、それは治療院が溢れている現在では通用しなくなっているのが現実です。
鍼灸技術は大前提です。それにサービス業の要素を追加することが大切になります。
失敗理由のまとめ
宣伝不足により集客が上手くいっていない → 新規集客の失敗
技術力・知識量が不足している → リピート化の失敗
サービス業の要素が不足している → リピート化の失敗
以上で紹介した失敗理由は、このようにまとめることが出来ます。
まずはご自身の鍼灸院がどの理由で失敗しているのかを把握することから始めましょう。
成功する鍼灸院の3つのコツ
成功している鍼灸院は、上で述べた原因に対応しています。
それぞれの対策のコツをご紹介します。
新規集客のコツ
鍼灸院が利用すべき新規集客の方法は次のようなものです。
・ホームぺージ
・Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)
・鍼灸系のポータルサイト
・SNS
・ブログ
メインの集客法であるホームぺージとGoogleビジネスプロフィールは必ず利用し、サポートの集客法の中から自分にあったものを選んで活用しましょう。
サポートの集客法に関しては、「無理なく継続できる」ことがポイントです。
鍼灸院の新規集客に必要なコンテンツ
鍼灸院は整骨院や整体院とは異なる施術を行うため、鍼灸ならではのコンテンツで宣伝していくことをおススメします。
具体的には
- 鍼灸と他の施術との違い
- 鍼灸の安全性
- 鍼灸ならではの対応症状
- 患者さんの体験談 etc
鍼灸院の宣伝集客におススメのコンテンツに関しては、別記事でまとめていますので、ご参考ください。
技術力・知識量の向上
メインとなる商品である、鍼灸の技術と健康・身体に関する知識を向上させていきましょう。
特に初回時に鍼の刺激が強い場合は、2回目の来院にはつながりにくくなります。
熟練・ベテランの鍼灸師さんからすれば意外かもしれませんが、鍼の刺激が強い院は結構多いです。
特に鍼灸整骨院で修行した比較的若い鍼灸師さんがこれに当てはまる傾向にあります。
また健康や体に関する知識を向上させて、患者さんからの質問にすべて答えられるようにしたり、患者さんの身体の変化などを先読みできるようにしましょう。
初回時の身体の検査で「あなたの体質はこうだから、こんな風にアプローチしていきます」と説明したり、施術後に「今日の施術でこれぐらい好転反応が出ます」などの説明が出来ると、患者さんからの信頼度がグンと上がります。
この信頼度が2回目3回目につながり、最終的にはファンになってくれるでしょう。
ちなみですが、様々な鍼灸院で施術を受けた筆者の主観的な印象ではありますが、以下のことが出来る鍼灸師さんは技術力・知識量が高いと感じます。
- 脈診
- 舌診
- もぐさ灸
- 鍼よりも灸に重きを置いている
サービス業としてのコツ
サービス業という言葉から、「患者さんにへりくだった態度になる」「丁寧すぎる接客」などをイメージするかもしれませんが、そういうことではありません。
鍼灸院のサービス業としての要素は、「患者さんが気になるようなことに気付いて対応できるか」というとことです。
院内を清潔に保つというのはその1つで、特に「トイレが清潔で利用しやすいか」というのは非常に重要な要素です。
女性の患者さんのトイレ利用率をさりげなくチェックしてみて、あまり使われていないのであれば要注意です。
他にも施術室に鏡を設置しているか(施術後の髪チェックや化粧の乱れチェックのため)、施術後の水分の提供などもプラスに働きます。
ちなみに院内のインテリアやレイアウトに統一感があることも、患者さんにプラスに感じてもらえる要素でもあります。
こうしたサービス業的な要素が多いと、患者さんが積極的に通いたいと思ってもらいやすくなるでしょう。
鍼灸院成功のコツはリピート率
鍼灸院経営に成功するコツについて解説しましたが、鍼灸院は新規患者数を増やすより、リピート率にこだわる方が経営が安定します。
鍼灸の検索ボリュームは整骨院や整体院よりも少ないですし、鍼という施術が怖くて選べないという人がいるため、どうしても新規数を整骨院・整体院のように増やすことは難しいです。
一方で鍼灸施術の場合、患者さんの意識として「複数回通うもの」と考えているケースが多いので、リピートの後押しとなる要素にこだわって改善する方が、月ごとの施術回数が増えて売上が上がり、経営が安定しやすくなります。
特に技術力に自信のある鍼灸院さんで、思ったより売り上げが高くなっていないのであれば、このリピート率改善の施策を取ることで、グンと経営が安定しやすくなることでしょう。
まとめ
経営・集客に失敗する鍼灸院の要因と、成功する鍼灸院に共通するコツについて解説をしてきました。
解説してきた内容はシンプルで基本的なことが多いですが、その基本が疎かになっている鍼灸院さんは実はかなり多いです。
ぜひこの基本を改善し、院の経営・集客を成功に導いてください。
治療院集客集団WAOでは、鍼灸院の新規集客を成功に導くためのホームページ制作を行っています。
また制作後の運用や集客サポート、リスティング広告運用の代行なども行っていますので、開業時の鍼灸院ホームページの新規作成やリニューアルをご検討であれば、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。
有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。
当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。
2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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