日々の治療院経営において、施術単価と商圏について「まあこんなもんだろう」ぐらいに考えていませんか?
「ネットならどんなに高くても、あらゆる地域から集客できる」みたいなコンサルタントの言葉を信じてはいませんか?
どんな商売でも提供するサービスの料金と商圏は、実際の集客に密接に結びついています。
なのでここの部分を「なあなあ」にしておくと、集客に大きな影響(特に悪い影響)が出てきます。
今回説明する「治療院の施術単価と商圏の関係」を理解すると、あなたの治療院の集客を改善できるだけでなく、根本的な経営方針の見直しにもつながり、経営を安定していくことが出来ます。
施術単価と商圏がどのように関連しているのか、それをもとに集客や経営方針をどう見直していくことが必要なのかをお話致しますので、この先を読んで参考にしてみてください。
施術単価と商圏はどう関連しているのか?
商圏
施術単価が上がるごとに治療院の商圏は広くなり(という広くせざるをえない)、施術単価が下がるごとに商圏は狭く(というか狭くできる)なります。
これを理解するために、可処分所得のことを考えてみてましょう。
基本的には可処分所得が高い人が、施術単価の高い治療院に通うことが出来ます。
可処分所得の高い人というのは日本において多いわけではありません。経済的格差がどんどん広がっており、可処分所得が高い層は減っており、低い層が増えています。(その代わり一部の高所得層の所得は非常に上がっています。)
芦屋の山側や東京の港区のように高所得層が住む地域があるにはありますが、基本的には一つの地域には高所得層は少数です。
なので施術単価の高い治療院は、自院に来てくれる高所得層にアピールするためには近隣エリアだけでは不十分であり、商圏を広くしてアピールしなければいけないのです。
逆に施術単価が低い場合、近隣エリアの多くの人が通える価格なので商圏を狭くしても十分やっていけるのです。
保険治療の接骨院の多くがそれほど宣伝をせずに、立地だけで勝負できるのは、近隣地域だけを商圏としているからです。
宣伝費
施術単価で商圏が変わるということは、宣伝費も大きく変わってくることを意味します。
施術単価が低い場合・高い場合で、宣伝費と成約率がどう変わるのか見てみましょう。
宣伝費 | 成約率 | |
---|---|---|
低単価施術 | 低く抑えられる | 高い |
高単価施術 | 高くなる | 低い |
施術単価が低い場合は、患者立場としては利用しやすいので、成約率を高めることが出来ます。ゆえに宣伝費も抑えることが可能です。
逆に施術単価が上がるごとに宣伝の成約率が低くなっていくので、宣伝費を多くして新規数を確保していかなければいけません。
どのように集客と経営方針を見直す必要があるか?
低単価施術の治療院の場合は「地域密着」
低単価の施術を行っている治療院が集客・経営でうまくいかない場合は「宣伝エリア」と「宣伝の質」を見直す必要があるでしょう。
低単価施術の場合は、基本的にはチラシやホームページからの成約率が高く、宣伝費自体も抑えられます。
そうなっていない場合は、宣伝の質・宣伝内容・エリアに問題がある可能性大です。
チラシやホームページに集客力がないので内容をリニューアルしてみるのとか、広告の出稿エリアが広過ぎるので制限してみるとかが見直しの選択肢です。
また経営方針としては「様々な症状を集める」ということになります。
低価格帯の治療院は特定の症状に特化しなくても集客しやすいのが強みです。
対応症状を限定して見込み患者を減らさず、地域密着であらゆる患者を集めていきましょう。
高単価施術の治療院の場合は「エリアフリー」
高単価の施術を行っている場合、地域密着ではなくエリアフリーで集客をしていく必要があります。
施術料金が高いため地域だけでは患者となる対象自体が少なくなります。なるべく商圏を拡大して宣伝をしていく必要があるでしょう。
商圏拡大につながるのがWEBでの宣伝です。ホームページにPPC広告をかける場合など、「これはちょっと広いかな」と感じるくらいまで広げてみるこで集客につながることもあります。
ただし、そもそも高単価施術の治療院の場合は、宣伝内容の質が何より重要です。
患者さんの体験談を地域で一番になるくらい集めるとか、メディア取材や医師からの推薦を増やすなどが基本となります。
また経営方針としては「メンテナンス患者を増やす施策」を重視する必要があります。
遠距離からくる患者さんは、主訴が治るまでは通ってくれますが、メンテナンスでは通ってくれません。
なのでメンテナス患者数が少なくなるために、毎月の売り上げの基盤が低いのが経営上の弱みです。
だから比較的近くから来ている患者さんをどのようにメンテナンスにつなげるかを、新規獲得のための労力と同じくらい力を入れていかないといけません。
あなたの院は、どのようにメンテナンス患者を増やしていますか?
まとめ
治療院の施術単価と商圏が密接に関連していることを説明してきました。
大雑把なまとめになりますが
商圏
高単価施術の場合は広くする必要がある
低単価施術は近場の地域密着でOK
宣伝費
高単価施術は成約率が低いので宣伝費が高くなる
低単価施術は成約率が高く宣伝費をおさえやすい
この関連をもとに、あなたの治療院がどのような経営方針のもとに宣伝を行っていくのかが成功の秘訣といえるでしょう。
高単価での施術を行っている治療院さんは、集客・経営にてこずってしまい、中途半端な状況に陥る傾向にあります。
今回の記事を参考にして、「何を変えていくべきなのか」を考え直していただければ、あなたの治療院の集客・経営は必ず良い方向に行くでしょう。
投稿者プロフィール
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治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。
有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。
当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。
2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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