「治療院」と分類されるお店が数多く増えているので、鍼灸院も新規集客のためのマーケティングに注力しないと淘汰される時代になりました。
特に鍼灸師というのは職人肌の人が多く、鍼灸院のクライアントとお話していると「マーケティングよりも目の前の治療」という考え方を持つ人が多い印象です。
私個人としてはそのような人の方が治療家として信頼できると思うものの、それで経営が立ち行かなくなると問題です。
そこで今回は、鍼灸院の新規集客として整体院や整骨院に負けないためのマーケティング5つのポイントについて解説をしていきます。
これを参考にしていただければ、「鍼灸院が使うべき宣伝法」「どのような方向性で宣伝をすべきか」「患者さんの考える鍼灸へのハードルを超える方法は」などがわかり、新規集客力をアップすることが出来るでしょう。
鍼灸院で集客で悩んでいる・これから鍼灸院を開業するが宣伝をどうするか迷っている。そういう方に必ず役に立つでしょう。
- 0.1. ポイント① 宣伝の方向性を鍼灸院ならではのものにする
- 0.1.1. 実際の検索需要
- 0.1.2. 本気度の高い悩みを持つ患者層にアピールする
- 0.2. ポイント② 利用する宣伝・集客媒体は絞る
- 0.2.1. 鍼灸院が利用すべき集客媒体
- 0.2.2. 鍼灸院のホームぺージ
- 0.2.3. PPC広告
- 0.2.4. Googleマイビジネス・鍼灸コンパス
- 0.2.5. Googleマイビジネスの強み
- 0.3. ポイント③ 鍼灸に対する患者さんの印象を利用する
- 0.3.1. 鍼と灸について詳しく説明をする
- 0.3.2. 鍼灸が安全であることを説明する
- 0.4. ポイント④ 鍼灸の利用例を紹介する
- 0.5. ポイント⑤ 宣伝素材集め注力する
- 0.5.1. 宣伝素材でどれくらい集客力が高まるか
- 0.6. まとめ
ポイント① 宣伝の方向性を鍼灸院ならではのものにする
治療院の数が多くなりつづけていることはすでにお話しましたが、そんな中で整体院や整骨院でも対処ができる症状をメインに鍼灸院が宣伝をしても、集客に成功する率は低いと言えます。
そこで宣伝の方向性を「鍼灸院ならでは」のものにすることが成功率を高めるポイントになります。
整体院・整骨院でも様々な症状を対応するようになりましたが、基本は痛みやシビレをメインに扱っています。
だから鍼灸院は痛み・シビレ以外の症状をメインに宣伝していくことが集客成功率をアップさせることは出来るでしょう。
ではどのような症状をメインにするのが良いでしょうか?
治療院集客集団WAOが鍼灸院をサポートしてきた経験上、「自律神経症状」や「妊活」をメインに宣伝すると集客しやすいことがわかっていますのでお勧めです。
妊活に関しては実績を紹介できないとなかなか集客にはつながりにくいですが、実績を集めることが出来れば地域ナンバーワンになることも可能でしょう。
自律神経失調症に関しては、妊活ほど実績がなくてもある程度集客につながりやすいので、これから開業する鍼灸院には強くお勧めできます。
実際の検索需要
Googleのキーワードプランナーというツールを使って、鍼灸関連で検索されているキーワードを探してみると、次のようなキーワードが多く検索されていることがわかります。
針 治療 効果 自律 神経
自律 神経 失調 症 針 治療
妊 活 お灸
不妊 治療 鍼灸
突発 性 難聴 鍼灸
耳鳴り 針 治療
耳鳴り 鍼灸
逆子 鍼灸
慢性 前立腺 炎 鍼灸
つわり 鍼灸
マタニティ 鍼灸
育毛 鍼灸
針 治療 頭皮 効果
めまい 鍼灸
うつ 病 鍼灸
顔面 神経 麻痺 鍼 治療
キーワードツールで調べると、患者さんが鍼灸院に求めているものがわかってきます。
当社の経験上鍼灸院が新規集客しやすいとお話した「自律神経症状」や「妊活」も入っています。
あとは円形脱毛症なども鍼灸では集客出来ていたりするのですが、このキーワードからそれが裏付けられます。
整体院や整骨院ではなく鍼灸院に求められているものは何なのか、それは一度Googleのキーワードツールを自分で使って調べてみるのも良いでしょう。
本気度の高い悩みを持つ患者層にアピールする
鍼灸院の集客の方向性というのは「肩こり」「腰痛」「疲労」のような比較的軽い悩みに焦点を合わせるのではなく、「本気で症状を改善したい」という人たちに向けるべきだと言えるでしょう。
「整体院・整骨院ではあまり対応していない症状」「本気の高い悩みになりやすい」という2つのベクトルで絞っていけば、新規集客のハードルが下がります。なので競合の多い治療院業界の中でも鍼灸院が勝ちやすい状況を作れます。
鍼灸治療を行えることは大きな強みです。その強みを生かせるマーケティング戦略を行っていきましょう。
ポイント② 利用する宣伝・集客媒体は絞る
治療院として利用することが出来る宣伝・集客媒体は数多くあります。
そのすべてを利用しようとすると時間が足りなくなり中途半端なことになります。
利用する宣伝・集客媒体は絞り、それだけに手間・時間を注力するようにしていきましょう。
鍼灸院が利用すべき集客媒体
治療院集客集団WAOが経験から鍼灸院にお勧めする集客媒体は次の3つです。
・ホームぺージ(+PPC広告)
・Googleマイビジネス
・鍼灸コンパス
色々な集客媒体に目移りしてしまうかもしれませんが、この3つに絞って注力をしていきましょう。
鍼灸院として最も集客成功率が高くなりますし、費用対効果もかなり良い結果になるでしょう。
鍼灸院のホームぺージ
鍼灸院がホームページを作るのであれば、ポイント①に解説したような方向性に特化したものにすると良いでしょう。
「自律神経特化ホームぺージ」「妊活特化ホームぺージ」などです。
自律神経症状に特化するなら、自律神経関連の症状ぺージを数多く作りましょう。
キーワードツールで出てくるような症状ぺージを作っておくと、ロングテールでの集客を期待することが出来ます。
妊活ホームぺージでも、「妊活ステージごと」のぺージや「不妊に関係する症状」のぺージを作成することで、特化した感じをより出せます。
鍼灸院がホームぺージを作成する際に、「これは必ず入れたい」というコンテンツがあります。それをまとめた記事がありますのでそちらもご参照ください。
PPC広告
鍼灸院がホームぺージで新規集客をするなら、SEO対策に頼るのではなくPPC広告を利用してアクセスを集めることをおススメします。
というのも自律神経系の症状などのキーワードはSEO対策で効果が出にくくなっているために、自然検索での上位表示が難しいからです。
また「自律神経失調症 治療」や「突発性難聴 鍼灸」のように地域名を入れないキーワードで検索されていることが多く、地域名が入らないとSEO対策が出来ないので、SEO対策だけに頼るとせっかく作成したホームぺージにアクセスされず、集客に結びつきません。
そのために鍼灸院はホームページで集客する際には、PPC広告を使うことも前提としておくことを忘れないでください。
Googleマイビジネス・鍼灸コンパス
Googleマイビジネス・鍼灸コンパスでは、どの鍼灸院も情報を掲載すべき「基本情報」部分と「クチコミ投稿」部分に分かれます。
集客のポイントとなるのが「クチコミ投稿」部分です。
クチコミの数・質が集客力に直結します。
Googleマイビジネスにクチコミを増やす治療院は増えてきましたが、鍼灸院として力を入れている院はまだ多くありません。鍼灸院としてなら、クチコミの数・質ともに地域ナンバーワンにもなりやすいでしょう。
そしてそれは鍼灸コンパスにも同じことが言えます。鍼灸コンパスで地域ナンバーワンのクチコミ数を目指しましょう。
Googleマイビジネスの強み
鍼灸院が訴求すべき症状名はSEO対策が難しいと言いましたが、Googleマイビジネスでは検索順位をあげることが出来ます。
「自律神経失調症」「めまい」などのような症状名でもローカルパックと呼ばれるGoogleマップ上位3位部分に表示させることが出来るです。
これはGoogleマイビジネスだからこその強みであり、鍼灸院がGoogleマイビジネスを利用すべき理由の1つでもあります。
ホームぺージはPPC広告で各症状名でのアクセス数を集め、Googleマイビジネスでは検索としてアクセス数を集めていきましょう。
※GoogleマイビジネスとMEO対策のやり方は下記事をご参考ください。すべてをまとめています。
ポイント③ 鍼灸に対する患者さんの印象を利用する
鍼灸院というのは治療院の中でも特殊な業種です。整体院・整骨院では出来ない「鍼」「灸」という特殊な治療を行うことが出来るからです。
患者さんは鍼灸に対して様々なイメージを持っています。そのイメージを上手く活用したマーケティングを行うことが、鍼灸院の新規集客の秘訣です。
鍼と灸について詳しく説明をする
まずホームぺージなど多くのコンテンツを載せることが出来る宣伝媒体では、鍼と灸について詳しく説明を行いましょう。
一般の人が鍼灸に対するイメージは次のようなものです。
・鍼でツボを刺激する
・お灸でツボを温める
・中国で発祥した施術
これぐらいのイメージしか持っておらず、鍼灸がどんな研究をされていて、どんな効果が認められているかなどは知らないでしょう。
だからしっかりと鍼と灸について説明をすることで鍼灸のすごさを理解していただければ、整体院でも整骨院でもなく鍼灸院が選ばれる確率は高まります。
詳しい説明の一つとして、「WHO(世界保健機関)が認定している鍼灸適応疾患がある」というものです。多くの人はこのことを知ると「鍼灸って効果がきちんと認められているものなんだ」と驚きます。
他にもNIH(米国 国立衛生研究所)が発表した鍼灸に関する見解などを使って説明するのも良いでしょう。
また現在進行形で鍼灸は研究されているので、様々な論文が発表されています。それらを使って鍼灸がどれだけ有効かを解説してみるのも良い方法です。
鍼灸の強みはこうした長年の研究結果や実績にありますから、整体院や整骨院との差別化に利用しましょう。
鍼灸が安全であることを説明する
また一方で、鍼灸に対してあまり良いイメージを持っていない人も多いです。
・鍼を刺されると痛い
・太い鍼が怖い
・鍼を打たれると跡に残ってしまう
・お灸は熱いので我慢するのが大変
・お灸の熱で肌が傷ついてしまう etc
こうしたイメージを持つ人は、鍼灸院を選ぶ理由がありません。だから鍼灸という治療法が安全であることをしっかりと説明しましょう。
鍼を刺される時の刺激はどの程度か、鍼の細さはどのくらいか、治療で跡になったり傷ついたりするのか etc 1つ1つ丁寧に言葉を尽くすことをおススメします。
安全であるということがわかれば、鍼灸院も治療の選択肢に入れてくれる患者さんも増えることは間違いありません。
鍼灸の対する良いイメージも負のイメージも、きちんを説明することで鍼灸院を選ぶ理由付けになることを忘れずにマーケティングに利用しましょう。
ポイント④ 鍼灸の利用例を紹介する
鍼灸治療は様々なところで利用されています。患者さんはどんな時に鍼灸が利用されているのかを知らないので、それを紹介するだけで鍼灸に対する信頼性が高まります。
よくあるのはアスリートが鍼灸を利用しているパターンですね。誰がどんな時に利用しているのかをホームぺージなどで紹介しましょう。
・サッカー元ブラジル代表のロナウジーニョ選手は、昔から日本人鍼灸師のタカハシ・フミオの施術を受けており負傷の早期回復を実現している
・陸上男子100mで日本選手初の9秒台を出した桐生祥秀選手は継続的に鍼治療を受けることで、けがをしない体づくりをしている
・フィギュアスケート河辺愛菜選手も定期的に鍼灸を受けて体のケアをしている
世界レベルのアスリートが自身のケアのために鍼灸を利用していることは、鍼灸の強みを伝えることであり、鍼灸院が選ばれやすくなることにつながります。
こうした鍼灸の利用例はまだまだたくさんあります。
例えばここ数年で、アメリカウォール街の忙しいビジネスマンが鍼灸で体のケアをすることが多くなったということも、その一つでしょう。
鍼灸の利用例を集めておけば鍼灸院の信頼性向上に利用できることを覚えておき、事例収集を怠らないようにしましょう。
ポイント⑤ 宣伝素材集め注力する
宣伝で集客力に直結する素材というものがあります。
鍼灸院というのは整体院や整骨院に比べてどうしても選ばれにくいので、この宣伝素材集めに注力をし続けましょう。
集客力に直結する宣伝素材というのは次のようなものを指します。
・患者さんの体験談
・患者さんの顔写真
・セミナー開催事例
・地域での健康イベント開催実績
・メディア取材・掲載事例
・医師や医療従事者からの推薦 etc
院の努力で集めることが出来るもの、出来ないものがあります。
出来るものは「患者さんの体験談」「患者さんの顔写真」、場合によっては「セミナー」も努力次第では開くことが出来ます。
一方で院の努力ではなくタイミング・運という要素が大きく絡むものは「地域での健康イベント」「ディア取材・掲載」「医師や医療従事者からの推薦」です。これらは獲得できるタイミングが回ってきたら、絶対に逃してはいけません。
宣伝素材でどれくらい集客力が高まるか
これらの宣伝素材を集めてマーケティングに利用することで、どれくらいの集客効果を期待できるか、どれくらい集客力が高まるのかを知りたいところでしょう。
あくまで事例の一つですが、患者さんの体験談と顔写真を多数集めた鍼灸院は自費施術で月30人の新規集客出来たこともあります。
医師の推薦をホームぺージに掲載することが出来た鍼灸院は、それまで月1人~5人の新患で不安定だったのが、月10名まで伸びました。
これらの宣伝素材は古くなることがありません。継続して収集しマーケティングに利用することで、毎月の新患獲得数を下げることなく安定化させることが出来るので、材集めに注力をし続けてください。
まとめ
鍼灸院が新規集客で整体院や整骨院に負けないためのマーケティング5つのポイントについて詳しく解説をしてきました。
鍼灸院というのは、強みも弱みもある治療法です。
唯一無二でその効果が世界的機関から認められている一方で、「痛い」「怖い」というようなマイナスイメージも持たれています。
そうした様々なイメージを利用しつつ、整体院や整骨院に新規集客で負けないマーケティングを行えるのも鍼灸院だからこそです。
鍼灸院が職人肌であることは悪いことではありません。ただもう少し、鍼灸院のすごさを外に発信していきませんか?
世の中には症状が治らずに困っているひとがたくさんいます。その人が鍼灸という選択肢を知ることになれば、希望を感じてもらえるかもしれません。
今回紹介したマーケティング5つのポイントは、どれも集客に必須なものばかりです。あなたの院のマーケティングの参考にしていただき、必ず集客に成功させてください。
投稿者プロフィール
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治療院ひとつひとつの特性や地域性・業種ごとの推奨マーケティング理論を踏まえた集客コンサルティングを行うプロ。
有名クチコミサイト「エキテン」黎明期に在籍し、企画立案、有料サービスのプランニング、一般店舗のコンサルタントとして集客・マーケティング業務に従事。
当時のクライアント店舗は300を超え、その大半が治療院であったため、治療院の集客を熟知するようになる。特に新規客獲得に貢献した集客のエキスパートとして2012年に独立し「店舗集客集団WAO」を立ち上げる。
2021年には店舗集客集団WAOの治療院部門を独立させ、「治療院集客集団WAO」を設立。
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